同じところに食べ物が挟まるのはなぜ?フロスで取っても繰り返すときの対処法
- 2026年9月25日
- コラム

同じところに食べ物が挟まるのはなぜ?フロスで取っても繰り返すときの対処法

食後にフロスを通すと、いつも同じ場所から食べ物が出てくる。取り除けば楽になるのに、次の食事でまた挟まる。
同じ場所で繰り返すなら、痛みがなくても歯科で相談してください。歯と歯の接し方、詰め物の形、歯ぐきの変化などを調べ、清掃の工夫で対応できるのか、治療が必要なのかを判断します。食べ物が挟まるだけで、むし歯や被せ物の作り直しが決まるわけではありません。
急いで確認したい方は、まず次の受診目安をご覧ください。その後は「どこに入り込むか」「いつ始まったか」の順で、診察につながる手がかりを整理していきます。
同じ場所に繰り返すなら、痛みがなくても相談を
一度だけ繊維が挟まり、やさしく清掃すると取れて、その後は気にならない。そうした一回の出来事だけで、病気と考える必要はありません。
一方、毎食のように同じ場所へ挟まるなら、食べ物が入りやすい状態が続いている可能性があります。取れたときに痛みが消えることと、その場所に問題がないことは別です。
| 今の状態 | 受診・対応の目安 |
|---|---|
| 一度だけ挟まり、取った後は違和感がなく、繰り返していない | 普段のケアを続け、次の食事以降の変化を見る |
| 同じ場所で繰り返すが、強い痛みや腫れはない | 通常の診療予約で、場所と始まった時期を伝える |
| 取っても痛む、出血が続く、しみる、詰め物が欠けた・動く | 早めに歯科へ連絡し、受診時期を相談する |
| 強い痛み、膿、顔の腫れ、発熱がある | 当日中を目安に歯科へ連絡する |
口や首の腫れに伴い、息苦しい、飲み込みにくい場合は、通常の予約を待たず救急医療機関へ相談してください。
毎回挟まっていても、「次の定期検診で聞けばいい」と後回しにしがちです。予約が何か月も先なら、その間ずっと我慢せず連絡しましょう。いつ受診するか迷ったときは、痛みや腫れの有無も一緒に伝えると状況が伝わります。
歯と歯の接点と、歯ぐき側の空間は分けて考えます

隣り合う歯には、歯同士が接する部分と、その下の歯ぐきに近い空間があります。普段はどちらも「歯のすき間」と呼びますが、食べ物が入る場所によって調べる内容は変わります。
| 気になる場所・入り方 | 診察で着目すること |
|---|---|
| 噛むたびに、歯と歯の間へ押し込まれる感じがある | 歯同士の接触、噛む面の形、詰め物や被せ物の状態など |
| 歯ぐきの近くに空間が見え、そこへ食べ物が残る | 歯ぐきの形、炎症や歯周病の状態、その場所の清掃しやすさなど |
この表は、見た目や感覚だけで原因を決めるためのものではありません。二つの状態が重なっていることもあります。
歯の間などへ食べ物が押し込まれる状態は、「食片圧入(しょくへんあつにゅう)」と呼ばれます。食べ物が入るきっかけは一つではなく、歯の形、歯並び、歯ぐき、噛み合わせなどが関係します。
見える空間を全部ふさげば解決するとは限りません。食べ物が入りにくくなっても、歯ぐきの近くを清掃しにくい形にしてしまうと、歯垢が残りやすくなるおそれがあります。治療では、食事のしやすさと、毎日手入れできる形の両方を考えます。
「いつから挟まるか」が、原因を探す手がかりに
正確な日付は必要ありません。「先月までは気にならなかった」「被せ物を入れた頃から」といった変化が、診察では参考になります。
最近、治療していないのに始まった
むし歯で穴ができたり、歯や詰め物の一部が欠けたりすると、食べ物が入りやすくなることがあります。歯の位置や、隣の歯との接触が変わっている場合も考えられます。
奥歯の側面は、鏡で正面から見てもよく分かりません。痛みがないから、見える部分が白いからと、ご自身で歯の健康状態を判断するのは難しい場所です。
診察では、表面の状態だけでなく、必要に応じたレントゲン所見も合わせて確認します。むし歯が見つかったときの基本的な治療は、当院のむし歯治療のご案内に掲載しています。
以前よりフロスが通りやすくなった、食べ物の種類にかかわらず挟まるようになった、といった変化も手がかりになります。自分で原因を突き止めてから予約する必要はありません。
詰め物・被せ物を入れてから気になる
この場合は、治療を受けた歯科医院へ相談すると、治療前後の状態を踏まえて確認できます。伝えたいのは、「入れた直後から続くのか」「しばらく使えていた後で始まったのか」です。
詰め物や被せ物の周りでは、隣の歯との接触、縁の状態、噛んだときの当たり方などを調べます。長く使っていた被せ物なら、周囲の歯ぐきや隣の歯にも変化が起きていないかを見ます。
治療後に始まったという経過は大切な情報ですが、それだけで治療の失敗や交換の必要性が決まるわけではありません。調整で対応できる部分、補修する部分、外して調べる必要がある部分を診察で整理します。
治療した医院へ通いにくくなった場合は、別の歯科でも相談できます。分かる範囲で治療時期や内容を伝えましょう。以前の資料があれば参考になりますが、資料がそろうまで痛みや腫れを我慢する必要はありません。
歯石取りの後や、歯ぐきの変化とともに気づいた
歯ぐきが下がると、歯の根元側に食べ物が入りやすい空間ができることがあります。また、歯周病の治療で腫れが引いたり、すき間にあった歯石が取れたりして、以前より空間が目立つ場合もあります。
日本歯周病学会の歯石除去後のすき間についての解説でも、こうした変化と清掃の必要性が説明されています。すき間が見えるようになったことだけで、治療によって歯周病が悪化したとはいえません。
この場合に確かめたいのは、今の歯ぐきに合う清掃方法と、炎症が落ち着いているかどうかです。以前と同じ道具が使いにくくなったなら、サイズや当て方を見直す機会になります。
歯が揺れる、出血が増えた、食べ物を取っても痛むといった変化があれば、治療後の経過として伝えてください。歯石取りの回数とは別に、その場所の状態を調べる必要があります。
フロスが引っかかるとき、歯科では何を調べる?

「ここだけ糸がほつれる」「以前より抵抗なく通る」。こうした気づきは、見えにくい場所を説明する助けになります。ただし、フロスの種類や動かし方でも感触は変わるため、それだけでむし歯などを診断することはできません。
引っかかりや糸の切れが続くなら、歯や詰め物・被せ物(修復物)の表面、縁、歯石などを確認します。強く引いたり、何度も通して再現したりせず、起きたことをそのまま伝えてください。
反対に、フロスがきつく通る場所でも食べ物は挟まります。噛むときの歯の動きや歯の形が関わる場合があり、歯を噛み合わせていない状態の接触だけでは説明できないことがあるためです。
歯と歯ぐきの両方を調べる理由
TOKYO DENTAL OFFICE 西新宿では、初診時に症状やご希望を伺い、歯周病検査、口腔内写真、X線写真などを用いて状態を把握し、検査結果と治療計画をご説明しています。
今回のような症状では、歯の欠けや詰め物だけに注目すると、歯ぐきの炎症や隣の歯との関係を見落とすおそれがあります。歯周ポケット、出血、歯の揺れなどを調べるのは、見えているすき間の背景を確かめるためです。
レントゲンも判断材料の一つですが、画像にすべての原因が映るわけではありません。口の中の所見と、食事で起きていることを合わせて考えます。食べ物が挟まるという理由だけで、全員にCT撮影が必要になるわけでもありません。
当院は、お口の治療に加え、患者さんに残る不安や悩みにも向き合うことを大切にしています。「会食のたびに気になる」「食後の掃除に手間がかかる」という日常の負担も、診察でお聞かせください。
歯の形に処置が必要か、その場所を自分で清掃できるか。診察では、この二つを相談してください。原因の説明を聞いても普段のケアがイメージできなければ、使う道具や動かし方まで尋ねて構いません。
歯を削る前に、治療で変える部分を確かめましょう
診察を受けると、その場ですぐ歯を削ることになるのでは、と気になる方もいるでしょう。対応は検査結果によって異なり、形を直す治療、歯ぐきの治療、清掃しながら経過を見る方法などがあります。
むし歯や欠け、修復物に問題がある場合
むし歯や欠けが原因なら、その範囲に応じて歯の形を修復します。詰め物や被せ物では、調整や補修を検討できることもあれば、外して内側を治療し、作り直す必要が生じることもあります。
交換には歯を追加で削る可能性や、治療後にしみるリスクがあります。「挟まるから交換」と先に決めず、何が見つかったためにその処置を選ぶのか、説明を受けましょう。
材料を変えることだけで原因が解決するとも限りません。素材名より先に、隣の歯との接触や清掃しやすい形をどう整えるかを理解しておくと、治療の選択を考えやすくなります。
歯ぐきに炎症がある場合
まず清掃方法の改善や歯石除去などを進め、歯ぐきの状態を整えることがあります。炎症が改善すると形が変わる場合があるため、落ち着いた状態を見てから修復物への対応を考えることもあります。
歯ぐきに関わる処置の流れは、当院の歯周病治療をご覧ください。食べ物を取り除くケアと、歯周病への対応が必要かどうかは分けて確認します。
噛み合わせが関わる場合
歯の当たり方や形が食べ物を押し込むことに関係していると判断された場合、調整などを検討します。ただし、歯を削る処置は元に戻せません。どこに手を加え、何を改善しようとするのかを確認する必要があります。
食片圧入を扱った歯科研究のレビュー論文でも、原因の多様さと、治療を一律に決めにくいことが整理されています。一つの処置で、誰でも完全に挟まらなくなると約束できる症状ではありません。
清掃しながら経過を見る場合
治療が必要な問題が見つからず、無理なく清掃できる状態なら、削らずに管理する方針も考えられます。その場合は、使う道具、次に確認する時期、再相談する症状まで聞いておきましょう。
治療費や通院回数は、検査だけで済むか、むし歯や歯周病の治療、修復物の作り直しが必要かで変わります。保険適用の条件も診断後に確認します。自由診療を選ぶ場合は、開始前に総額・期間・主なリスクの説明を受けてください。
受診までのケアは、道具を強く押し込まないことから
食べ物が気になっても、取れるまで力を入れ続けるのは避けてください。道具による傷が加わると、もとの症状がどの程度だったのかも分かりにくくなります。
フロスは、すき間の両側の歯に沿わせる
フロスが通る場所では、接触する部分をゆっくり通し、片側の歯の側面に沿わせて上下に動かします。続いて、同じすき間の反対側の歯も清掃します。歯ぐきへ勢いよく押し込む使い方は避けましょう。
動かなくなる、繰り返し切れる、強く痛む場合は、その場所で無理を続けず歯科へ相談してください。
歯間ブラシは、場所ごとにサイズを合わせる
歯の根元側に空間があれば、歯間ブラシが役立つ場合があります。太いものほどよく取れるとは限らず、入らない場所へ押し込むと歯ぐきを傷つけるおそれがあります。
日本歯科医師会の歯間清掃具の選び方・使い方でも、すき間に合う道具を選び、無理に通さないよう案内されています。
受診時には、普段使っている商品の名称やサイズが分かる写真を見せると、話が具体的になります。「この場所には何を使うか」「どちらから、どの向きに入れるか」を実際に確認しましょう。一つの口の中でも、場所によって使いやすい道具は異なります。
当院の予防歯科・継続的なお口の管理では、日々のセルフケアと歯科医院でのケアを組み合わせています。道具を買い替え続ける前に、気になる一か所の使い方を相談してください。
食べ物が取れた後も、歯垢を落とすケアを続ける
目に見える食べ物と、歯に付着する細菌の集まりである歯垢は別のものです。挟まった物が取れた後も、歯ブラシと適切な歯間清掃で歯の表面を手入れします。
うがいは食べ物を流す助けになりますが、それだけで歯垢を十分に落とせるとは限りません。外出先で道具がない場合に、針や爪などを代わりに使うのはやめましょう。清掃しても取れない、痛みが残るときは、自己処置を重ねず歯科へ連絡してください。
診察で伝えることと、処置後に見ておくこと
食事中には気になるのに、診察のときには説明しづらい。そんなときも、食べ物を挟んだまま来院して再現する必要はありません。普段どおり無理のない範囲で清掃し、次の内容を伝えてください。
- 場所:右・左、上・下、前歯・奥歯のどの辺りか。
- 経過:最近急に始まったか、以前からか、治療の前後で変わったか。
- 食事:特定の物だけか、ほぼ毎食か。噛む途中か、食後に気づくか。
- 清掃後:取れば落ち着くか、痛み・出血・違和感が残るか。
何番の歯かは分からなくても構いません。「右奥で、上下ははっきりしない」という説明でも、診察の出発点になります。分からないことを埋めようとして、歯を強く押したり、硬い物をわざと噛んだりしないでください。
治療や調整を受けた後は、普段の食事での変化を見ます。比較したいのは、挟まる頻度、取り除く手間、痛みや出血が残るかどうかです。単に一度フロスが通ったかどうかより、日常で困っていたことがどう変わったかが、その後の診察に役立ちます。
「食事中の痛みは減ったけれど、掃除に時間がかかる」といった変化も伝えてください。まだ困ることがあるからと、すぐに大きな処置を選ぶのではなく、改善した点と残る問題を整理します。
清掃で管理する方も、以前より痛む、道具を通しづらくなった、出血が増えたときは再相談しましょう。一度決めたケアの方法も、歯や歯ぐきの変化に合わせて見直します。
西新宿で、毎回気になる一か所を相談したい方へ
「取れば楽になる程度でも受診してよいのか」と迷う必要はありません。同じところで繰り返すこと自体が、相談する理由になります。
TOKYO DENTAL OFFICE 西新宿の初診は、約1時間が目安です。問診票の記入などがあるため、ご予約の15分前の来院をお願いしています。短い休憩時間に済ませたい方は、予定を決める際にご確認ください。
初診では、お困りの内容を伺って検査を行い、その時点で分かる状態と治療の進め方をご説明します。すぐに対応が必要な歯には応急処置を行い、詳しい資料や追加の検査が必要な場合には、その後の診療につなげます。相談当日に治療のすべてが終わるとは限りません。
当院は、西新宿駅2番出口から徒歩6分、中野坂上駅A1出口から徒歩5分、イオンフードスタイル西新宿の店内2階にあります。初診の流れ・ご予約方法をご覧ください。急な痛みや腫れがある場合は、お電話(03-6300-0908)で症状をお伝えください。
「右の奥に、毎回挟まる。取ると落ち着くけれど、最近増えてきた」。説明は、そのくらい具体的なら十分です。毎食後の手間を一人で抱えず、気になる場所と、いつから始まったかをお聞かせください。
監修医師のご紹介

医療法人社団 旺誠会 理事長
TOKYO DENTAL OFFICE 西新宿 院長
歯科医師 酒井 敏貴(さかい としき)
「For the patient」を診療の軸とし、患者さまの不安に向き合いながら、治療と継続的な予防に取り組んでいます。補綴・歯周・インプラント・矯正などの分野で研鑽を重ねています。
略歴
| 年 | 経歴 |
|---|---|
| 2010年 | 日本大学歯学部 卒業 |
| 2012年 | 日本大学歯学部附属歯科病院にて研修 |
| 2013年 | 都内歯科医院 勤務 |
| 2021年 | こうとうデンタルオフィス木場 開院 |
| 2024年 | TOKYO DENTAL OFFICE 西新宿 開院 |
資格
- 歯科医師
- 歯科感染管理第二種
- 口腔感染症予防外来認定医
主な所属学会
- 日本補綴歯科学会
- 日本歯周病学会
- 日本口腔インプラント学会
経歴・資格・所属は医院公式プロフィールで確認しています。





